「ペットブームと言われ、ペット業界は今や年間１．４兆円の市場規模となりましたが、その裏で１年に約１０万頭の犬が殺処分されています」
「大型犬が飼いたい！」ずっとそう思ってました。子供の頃から実家では、ずっと犬を飼っていて、犬のいる風景がもう当たり前のようになっていましたが、小型犬ばかりで、大型犬は一度も飼ったことがなかったので、漠然とした憧れのようなものがあったんですね！
憧れと言っても、車の助手席に乗せて「オシャレだぜ！」と悦に入ったり、夏の海に行って周りを見回してドヤ顔したい！という程度のいささか他愛なく、子供っぽいものでしたが（笑）
そんな時テレビで、無責任な飼い主に飼育放棄され保健所に持ち込まれた犬の、ドキュメンタリー番組を見る機会があり、そんな甘い憧れなど遙か遠くに飛んで行きました。
「よし！そんな無責任な飼い主に捨てられた犬をたとえ１頭でも、俺が助けてやるんだぁ！」と決意し早速調べてみました。
私の住んでいる地域には「家庭動物相談所」という施設があり、捨てられたり、事情があって飼えなくなった犬猫などは、そこに持ち込まれるという事でした。
事情と言っても飼えなくなるに値する事情などとは、程遠いものがほとんどですが・・・。
そこで翌日電話で問い合わせてみたところ、申し込んですぐに、引き取れる訳ではないんですね。
- まずは電話で申し込む。
- 申請書が自宅に郵送されて来る。
- 必要事項（家族構成、家の間取り、一日の在宅時間など）を書き込み返送。
- 希望の犬種が相談所にいれば電話で知らせてくれる。
- 実際に相談所に犬を見に行き引き取るかを決定する。
ざっとこのような手順になります。
しかし職員さんによると、驚くべきことに、電話で申し込む半数の人がこの手順を聞き、「そんなに面倒ならもういいです」と断るそうです！
いったいどんなつもりで、申し込もうと思ったんでしょうか？私にはまったく理解出来ませんね・・・。
申請書には大型犬希望と書きましたが、どんな犬種でも引き取って育てようと思っていました。
そして待つこと５日！相談所から電話が掛かって来ました。
「オスのラブラドールの仔犬が４匹来たんですがどうされますか？」どうされるもこうされるもありません！
「はい！引き取ります、今行きます！すぐ行きます！」そう意気込んで車で１０分くらいの場所にある相談所に向かいました。
到着して中に通されると、予想はしていましたが、テレビと同じように鉄格子が並んでいて、その中に犬や猫がいるのを見ると陰々滅々とした気持ちになりますね。
そして「こちらです」と案内されたところには、なんと可愛い４匹のラブラドールの仔犬が！
「一応規則で１世帯に１匹となってるんですが」そんなぁ～！ここから１匹を選ぶなんて・・・。
買い物の時はいつも「即断即決」をモットーにしている私ですが、この時ばかりは悩みましたね。見ているとどれも可愛く利発そうで。
「ゆっくり選んで下さいね」と親切に言って頂いたので、じっくりと４匹が遊んでいる姿を観察しました。
５分くらい見ていると、まず４匹の順位付けが分かります。そこで１位と４位の仔犬をまず候補から外す事に。
理由は１位はヤンチャで、躾けに時間が掛かるため。４位は怖がりで、これもまた躾けにくい。こうして候補は２位と３位に絞られました。
熟考すること１０分！その結果手足が太く体高があって大きくなりそうな、２位の仔犬に決めることにしました。
と書くと簡単そうに思えるようですが、残り３匹の事を考えるとやはり断腸の思いでしたね。
「みんな飼い主が見つかるようにね！」と声を掛けてあげ、２位の仔犬を抱きかかえて、別室に移動しました。
その後引取りの書類に署名捺印し、犬を飼うにあたっての注意点を解説したビデオを鑑賞し、手続きはすべて終了！
やっと家に連れて帰って来ました。
怖がる様子もなく、スヤスヤ眠る仔犬を見て、訳もなく優しい気持になったのを、今もよく憶えています。
こうして待望だった大型犬との生活が始まりました！
当時の写真を改めて見ると、やっぱりちっちゃくて可愛いですね。そんな仔犬も現在はすくすくと成長し・・・。
今ではこんなにダンディーなオヤジになりました（笑）
