「僕は召使いが欲しいんじゃない、パートナーが欲しいから犬を飼ってるんだ」
これはあるエッセイストの言葉ですが、これを読んでどう思われるでしょうか?
犬への愛情に溢れた素晴らしい言葉だと感じる方も多いと思います。
確かに人間と共生する動物であるという観点から考えると、パートナーと言う言い方は間違ってはいないのかも知れません。
しかしこの方の著書によると、パートナーであるからこそのびのびと自由に育てているのでそうです。
また「オテやオカワリなど、飼い主の都合で犬に服従を強いることは下らない」とも言っています。
その結果犬が彼の生活にどういった影響を及ぼしたかというと、何度も庭の塀を飛び越えて脱走し近所の家の庭に勝手に入って荒らしたり、保健所に保護されたりで遂には数十万円も掛けて庭の塀を高いものに建て替えたそうです。
それでも彼はリードで繋がれている犬よりも、これが犬らしい犬にとって幸せはことだと思っているようです。
「パートナーが欲しい」「のびのび育てる」「服従を強いることはしない」何とも耳障りのいい言葉ばかりですね。
ただ彼の犬に対する考えの中で決定的に抜け落ちていること、それは何が犬にとって良いことなのか?を常に考えて接するということですね。
躾けること=服従を強いることでは決してありません。
犬は躾けることによって初めて人間と共生し、飼い主がリーダーになることによって犬との絆が深まります!
自由にのびのびと育てることによって、それが犬のストレスにれば本末転倒です。現実に問題行動を起こす犬はそのような育てられ方をされた場合が殆どですね。
そして問題行動はほとんどの場合犬のストレスが原因です。やはり一番大切なのは犬の問題行動を飼い主がきちんと認識すること!
ストレスでアドレナリンが血中に放出されると、交感神経が興奮した状態になります。これは「闘争か逃走か」のホルモンと呼ばれ犬の獣性を刺激します。
つまり敵から身を守る、敵を攻撃するといった状態のストレス応答を全身の器官に引き起こしそれが最終的に「咬む」という行為に繋がります。
「自由にのびのびと」によって犬を擬人化し溺愛することが犬のストレスを喚起することを飼い主はきちんと認識する必要がありますね。
犬は正しく躾けると飼い主にいろんなものを与えてくれます。愛犬可愛さで自分の接し方が、いつの間にか犬のストレスの原因にならないように気を付ける。
それが犬と共生する、犬を大切に思うことだと飼い主として自覚したいですね。
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