ルチアーノ・バルベラからジャンニ・アニェッリそしてウインザー公へ洒落男の系譜!
イタリア最高のウェル・ドレッサー!ルチアーノ・バルベラ
イタリアの生地メーカー「カルロ・バルベラ」のオーナーでイタリアのファッション業界で知らない者はいない洒落男。
1968年に「VOGUE」に掲載されたことで一躍そのお洒落ぶりを広く知られるようになり、1974年には自らのブランド「ルチアーノ・バルベラ」をスタート。
そのエレガントな装いはモードやトレンドに目を向けることなく自分の美学を貫き通す、現代イタリアのダンディズムの象徴とも言えるべき存在ですね。
現代の男性ファッションについて彼はこう語っています。
「着こなしとはまず身だしなみを整えること。男たるもの自分をわきまえ自分らしくあるために、自分のため自分と関わる第三者のためそれなりの装いをするべきなのです。それを可能にしてくれるスーツはきっとあなたの人生の良き伴侶となるでしょう」
身だしなみは自分のためでもあり人に対する気遣いである。そんな自分の考えが間違っていなかったと嬉しくなる言葉です。
バルベラさんありがとう!
さらにスーツについてこうも語っています。
「スーツとは第二の皮膚のようなもの。自分の欠点を補い魅力は最大に引き出してくれる。男の人生になくてはならないツールなのです」
なんというカッコよさ!ここまでスーツを極めた男だからこその説得力!ダンディズムとはかくあるべきですね。
しかしそんなのバルベラにも若い頃からずっと憧れたふたりの洒落男がいるようでそのひとりがこちら!
フィアットの総帥!ジャンニ・アニェッリ
イタリア最大の自動車会社フィアットの元社長で「フェラーリ」や「マセラティ」を傘下に入れた辣腕経営者でありセリエAの名門「ユベントス」の名誉会長、そして新聞社やテレビ局の経営者でもあったイタリアの実業家。
起業家としての実力はもちろん政界や財界のみならず、各国の王族や映画スターなど世界中のセレブリティーと幅広い交流をがありました。
しかし彼が未だにイタリアでレジェンドとして名を残していのは、ヨーロッパを代表するファッショニスタであると同時にそのプレイボールぶり!
腕時計をワイシャツのカフリンクスの上につけるのは彼のトレードマークで、現在も多くの男性がこれを真似ていますね。
また年老いてからもイタリアの雑誌の「抱かれたい男」の上位に毎年選出されていたことは有名で、ウィンストン・チャーチルの長男の妻との不倫が報道されるとイタリアのメディアは「第二次世界大戦の敵を討った」と報道したそうです。
2003年81歳で亡くなるとフェラーリ本社ではトレードマークの跳ね馬の半旗が掲げられ、フェラーリのF1チームが2003年に開発したシャシー「F2003ーGA」は彼の頭文字から名付けられました。
イタリアでは永遠の洒落男ですね!
そしてバルベラの憧れだったもうひとりの人物が・・・。
ウインザー公
ファッションに関心がある男性なら知らない人はいないのがイギリス国王エドワード8世。退位後の称号であるウインザー公として知られている方ですね。
イギリスのメンズファッションアイコンとして、ウインザーチェックという生地やウインザーノットというネクタイの結び方にその名は現在でも残っています。
またウインザー公が着たワイドスプレッドと呼ばれる広い襟のシャツはウインザーカラーと呼ばれるなど当時から現在に至るまで最高のファッションリーダーと呼ぶべき存在ですね。
ウインザー公の服装へのこだわりは当然スーツや靴にも及び、肩パットを用いウエストを絞った「イングリッシュ・ドレープ」というデザインのスーツを好んで着用。
これは今も各国のスーツのルーツと言われロンドンサヴィルロウ最古のテーラー「ヘンリー・プール」はじめイギリスのビスポークスーツの大きな特徴となっています。
当時タブーだと言われていたスエードの靴をスーツに合わせたのもウインザー公で、コンビの靴とともに彼のトレードマークになりました。
「ジョン・ロブ」の定番「ウィリアム」もウインザー公のオーダーによって2代目経営者ウィリアム・ロブが制作したもので、現在も絶大な人気を誇っています。
ここまで来るとウインザー公が稀代の洒落者と言われるのも納得が行きますね。皇太子当時は「プリンス・チャーミング」と呼ばれ世界中の女性の憧れのまとだったこともうなずける話しです。
もう参りましたというしかありませんね。
1920年代から現在に至るまでメンズファッションの基礎を作り上げ、発展させた最大のヒーローはウインザー公だと言われているもの納得です!
まとめ
3人のタイプの違う洒落男をご紹介しましたが、それぞれ個性があってやはり魅了的ですね。
この3人に 対抗できうる日本人で思い浮かぶのは白洲次郎くらいでしょうか?
服装へのこだわりは生き方にも反映されるものですね。これらの人々を見習ってダンディズムを極めて行きましょう!