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読み始めたらもう眠れない!超おすすめ海外冒険小説傑作10選♪

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海外における冒険小説は伝承文学の発生と同じくらい古く、西欧古代文学にはすでに冒険的要素のある小説がありました。

 

大航海時代には数多くの海洋冒険小説が生まれ、この時代が冒険小説の源流と言ってもいいでしょうね。

 

それが現在の日本では昔に比べて冒険小説の定義もかなり変わって来ました。そのきっかけは1983年に出版された一冊の本でした。

 

現代における冒険小説とは?

 

冒険小説の定義を変えた本。それが1983年に出版された書評家北上次郎氏の傑作エッセイ冒険小説の時代です。

 

それ以前の冒険小説が文字通り海や山にジャングル、そしてはるか宇宙まで主人公の冒険譚を描いたものでした。

 

それを北上氏はその範囲を広げスパイや警察もの犯罪小説からミステリーまで、エンタテインメントの総称として冒険小説という呼び名を使ったんですね。

 

結果的にはこれが大成功!一躍国内外の冒険小説ブームが起こりました。いやぁもう夢中で読み漁りましたね。今でも本屋さんで手にした本の解説を北上氏が書いていると無条件で買い!

 

それくらい書評家としての目は確かだと確信しています。映画と同じように小説も名作は色褪せることはありません。

 

冒険小説好きなら読んでいるであろう作品ばかりですが、今読んでも面白い何度読んでも面白いおすすめ海外冒険小説をチョイスしてみました。

 

        

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ディック・フランシス / 興奮

 

「金のためにやったのではないと言うなら、いったい何のために引き受けたのだ?」私はかすかに微笑んだ。自分の答えが我ながらおかしかった。

 

「スリルのためですよ」

 

もはや古典と言ってもいいディック・フランシスの競馬シリーズ!

 

障害レースで大穴が続き勝った馬には明らかに興奮剤を使用した形跡があるにもかかわらず、調べてもその証拠は出てこない。そこで理事のオクトーバー伯爵は牧場経営者ダニエル・ロークに真相究明を依頼します。

 

落ちぶれた厩務員としてイギリスの厩舎に潜入するローク。信用を得ようと悪事に手を貸し軽蔑されても、傷ついた心を胸の奥にしまいながらやり遂げようとするが・・・。

 

元障害レースの騎手だったフランシス。競馬に関する描写はリアルそのものですが、競馬を知らない人も心配ご無用!読み始めからグイグイ引き込まれます。

 

練り上げたプロットにハラハラドキドキのストーリー。そしてキャラクター造形とどれを取っても文句なしの名作です。

 

 

 

 

J.C.ポロック / 樹海戦線

 

「相手の出方は予想できる。プロの動きは予想できるんだ。すべてをぶち壊しにするのはアマチュアなんだよ」

 

元ベトナムの秘密特殊部隊員マイク・スレーターはかつての上官に招かれますが、上官は何者かに銃撃され殺されます。

 

そして上官最後の言葉「あの男は君を狙うぞ。マルヴァル・パーキンズもだ」その後昔の仲間が次々を殺され、自らの身に危機が迫ったスレーターはついにパーキンズと共に迎撃に立ち上がる!

 

相手はパリチェンコ率いるソビエトの最精鋭特殊部隊12名。この展開で面白くないわけがないですよね。

 

ラストのカナダの森林地帯でのソビエト特殊部隊との戦闘。緻密な作戦で奇襲をかけ、罠を仕掛け徐々に相手を追い込んで行くシーンはもう最高にエキサイティング!

 

このあたりは元グリーンベレーだったポロックの真骨頂ですね。ページをめくる手が止まらずでも読み終えるのが惜しい!そんな面白小説です。

 

 

 

 

デズモンド・バグリィ / 高い砦

 

「男の中に熱い血が流れている限り、不可能はないんだよ」

 

冒険小説史上に残る名セリフでファンにおなじみの作品です。展開も何もかも知っているのに読み返したくなる名作ですね。

 

元空軍パイロットのオハラはフライト中ハイジャックに遭遇し、アンデス山中に不時着をしいられます。しかし無謀な不時着で犯人は死亡。

 

えっ?もう死んじゃうの?と言う感じですがここからですよ。生き残ったオハラと9人の乗客は、険しい山中を救助を求め下山しようとしますが突然銃撃を受けます。

 

ハイジャック犯の狙いは乗客のひとりで元南米のある国の大統領でした。そこで彼らはこの人物を救うために闘いを決意します。

 

食料も武器もない彼らはいったいどうやって闘うのか!ここで乗客のひとり歴史学者のアームストロングの助言で武器を作るのですが、そのアイディアにはあっと驚かされますよ。

 

その後戦闘班と救助要請班に分かれ物語は進んでいきます。それぞれの闘いがカットバックのように描かれて行くんですねこれが。

 

果たしてオハラたちは脱出に成功するのか!冒険小説のエッセンスが詰まったような一気読み必至の作品です。

 

 

 

 

ギャビン・ライアル / 深夜プラス1

 

「敵はじっくりと俺たちを迎える準備ができるはずだ」

「そりゃいい」ハーヴェイは座席に心地よく沈み込んだ。

 

「てことはそれまでは襲って来ないわけだ」

「プロだからな」

「それが分かるといつも安心するぜ」

 

冒険小説というよりもハードボイルドと呼びたくなる、そしてハーヴェイ・ロヴェルという不朽のキャラクターを生み出したギャビン・ライアルの名作!

 

元諜報部員と凄腕だがアル中のガンマンが警察と殺し屋に追われている大富豪を、ブルターニュからリヒテンシュタインまで護送する仕事を請け負います。

 

タイムリミットは午前0時1分・・・つまり深夜プラス1。無事時間通りに到着できるのか!

 

1965年に発表された小説ですが今読んでも少しも古さを感じさせない作品です。元諜報部員のルイス・ケインと精神的な弱さからアルコールに頼るガンマンのハーヴェイ・ロヴェル。

 

そして大富豪のマガンハルトとその秘書ジャーマンを乗せたシトロエンDSが東に向けて疾走します。

 

警察の網から逃れ襲い掛かってくる殺し屋の襲撃に合う、ノンストップ・アクションのような展開。優れた小説がそうであるようにこの作品も緻密なディテールの積み重ねが読ませますね。

 

ちなみにアル中のガンマン、ハーヴェイ・ロヴェルはハヤカワミステリーの冒険小説人気キャラクターの1位を獲得し、漫画「ルパン三世」の次元大介のモデルになりました。

 

 

 

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 A・J・クィネル / 燃える男

 

失望や挫折によっては彼女の楽天主義は曇らなかった。彼女は仔犬のようなものだった。好奇心の凝りかたまりで何か奇妙なものにぶつかると一歩跳びのくが、それから鼻をヒクヒクさせながら、少しずつにじり寄るのだ。

 

ひとりの少女との出逢いが虚無感にとらわれた男の心を変える。すさんだ男の再生を描き映画「マイ・ボディーガード」の原作になった作品です。

 

酒浸りの日々を送っていた元外人部隊の傭兵クリーシィは、イタリアの富豪の11歳になる娘ビンタのボディーガードを引き受けます。

 

心を閉ざし誰をも拒絶するクリーシィもビンタの素直な性格に、徐々に心を許し始めます。ところがビンタはクリーシィの前で誘拐されやがて死体となって発見されます。

 

酒まみれのなまった体のせいでビンタを守りきれなかったクリーシィは、トレーニングと節制で以前のような体を取り戻し復讐へと立ち上がります。

 

物語は3部構成からなっていて1部は不器用で人を拒絶していたクリーシィが、ビンタの愛らしさに触れ次第に心を開いて行くさまが描かれていて、ほのぼのと暖かく微笑ましいだけビンタを殺されたクリーシィの悲しみが伝わって来ます。

 

2部は復讐に備えての準備期間で友人の亡き妻の故郷マルタ諸島ゴゾ島で、再起をかけたトレーニングや島の人々との触れ合いをラブロマンス。

 

そして3部でいよいよビンタを殺害したマフィアへの復讐の幕が開きます。1部と2部の暖かい人との繋がりを振り切って復讐へと旅立つクリーシィの姿に読み手は感情移入してしまいますね。

 

心揺さぶられる傑作です。

 

 

 

 

ルシアン・ネイハム / シャドー81

 

「そちらのレーダーに映っているように俺は今PGA81便の頭上約100フィート後方半マイルのところにいる。ジェット戦闘機だ完全武装している。747型機はいともたやすい標的と言うわけだ」

 

ロサンゼルス発ホノルル行きのジャンボジェット機が突然ハイジャックされ二千万ドルの金塊を要求される。

 

ここまではよくある話しですね。しかしなんと犯人は機内にはおらずジャンボ機の後方から、最新鋭の戦闘爆撃機でいつでも撃墜出来るようにつけ狙ってるんですね。

 

しかもジャンボ機の死角に入っているためにジャンボ機からは、犯人の操縦する爆撃機はまったく見えない!

 

このシチュエーションだけで面白そうでしょ?犯人はどうやって金塊を手にしようとするのか!この作品の優れたところはツッコミどころ満載の展開も、伏線の張り方が上手いので読み手は納得してしまうんですね。

 

この作品はこの年から始まった週刊文春の日本推理作家協会会員が選ぶアンケートで1位を受賞していますが、その当時の作家結城昌治氏の推薦文がこの作品の面白さを表しています。

 

「ハイジャックものの傑作。スケール、スリル、サスペンスすべて申し分なし」

 

一気読み必至の作品ですよ!

 

 

 

 

スティーブン・ハンター/ 極大射程

 

「なぜ政府に手を貸したの?

「愛国心という言葉に”ご命令は?”となってしまう。誇りはしないが恥じることもない」

 

宝島社の「このミステリーがすごい」で2000年に海外部門第一位を獲得した冒険小説の傑作。

 

私が初めて冒険小説を読む人にまずおすすめするのはこの小説ですね。「ザ・シューター」というタイトルで映画化され映画の方もそれなりに楽しめますが、やはり原作には敵いませんね。

 

ベトナム戦争で戦功をあげたかつての凄腕スナイパー、ボブ・リー・スワガーは国の機関により大統領暗殺未遂犯に仕立て上げられるが、何とか窮地を脱したボブは自らの汚名を晴らそうと国に闘いを挑んで行く。

 

いわゆる陰謀巻き込まれ型の作品でも、そこいらの小説とはわけが違いますよ!スピーディーな展開と練り上げられたプロットが、文庫本上下900ページをイッキに読んでしまう面白さ。

 

常に敵の動きを冷静に読んで先手を打つスワガー、この辺りの描写はもう唸るほどの上手さ!

 

アクションをふんだんに盛り込みながら優れたミステリーの要素もあり、一粒で二度美味しいとでも言いましょうか。

 

絶対にハズレのない面白さがここにはあります。

 

 

 

 

 

 

ハロルド・ロビンス / 冒険者たち

 

 「私はこの世でもっとも美しい5人の女性を妻にし、そのうちふたりは大金庫であった」

 

 

南米の小国コルテグアイ。政府の圧政により革命気運が盛り上がる中、山賊に母と姉をを殺された少年ダックスは6歳にして革命軍に加わり闘いの中に身を投じて行く。

 

革命は成功しダックスの盟友ロホはコルテグアイの大統領に、そしてダックスはイタリア大使となった父と共にローマへ。

 

ここから彼のサクセス・ストーリーの幕が開きます。そしてヨーロッバの社交界を席巻。世界的に名を馳せますがコルテグアイでは、ロホを打倒したしたエル・ロボによる独裁政治が始まり・・・。

 

ひとりの少年の成長譚と言える小説ですが、この作品の魅力はいろんな角度から楽しめるところにありますね。

 

まず主人公ダックスのモデルになった人物が魅力的であること、その人物とは世界一のプレイボーイとして名を馳せ「カリブ海のロメオ」と言われたポルフィリオ・ルビロサ!

 

ドミニカ共和国の外交官にしてレーシング・ドライバー、ポロの一流プレイヤー、各国王族や大富豪などを親交を持ち、飛行機で世界中を遊びまわる「ジェット・セット」としても有名・・・なんとまぁ羨ましいと言うかムッとするほどの生活をしていた人ですね。

 

各国の政治家やスターがキラ星のごとく登場し、それは誰かを想像しながら読み進めるのもこの作品の楽しみのひとつです。

 

アメリカでは人気の作家であるハロルド・ロビンスも、日本では人気知名度共に今ひとつですがこの作品は文句なしに楽しめるおすすめ小説です。

 

 

 

 

 

 

ロバート・B・パーカー / 初秋

 

「君のお父さんはたぶん、自分が立派な男かどうか確信が持てないし、そうでないかも知れないという疑念を抱いているのだろう。そうでないとしたらそれを人に知られたくない。しかし彼はどうすれば立派な人間になれるのかを知らない。だから人から聞いた単純なルールに従う」

 

ボストンの私立探偵スペンサーを主人公にしたシリーズ第7作で、シリーズ最高傑作と言われている作品です。

 

離婚調停中の母親から夫が勝手に連れ出した14歳の息子ポールを取り戻して欲しいと依頼を受けたスペンサー、まもなくポールは見つかるがこれが無気力を絵に描いたような少年。

 

やがてスペンサーはポールが両親の愛情を受けずに育ったこと、両親双方が離婚調停を有利に運ぶためだけにポールをそばに置いておきたがっていること知り、自立を教えるためポールを引き取る決心をします。

 

山荘にポールを連れて行ったスペンサーはそこで体を鍛えること、料理や薪割りなど生活する上で必要なことを教えようとします。

 

「これがなんの役に立つの?」と心を開こうとしないポールにスペンサーは言います。

「君には得意なものがない。得意なものを自覚出来れば自信が持てる」

 

自分を尊重し接してくれるスペンサーにポールの心もほぐれて行き、自立するため自分と闘うことを決心。それがタフなハートを持つ男への第一歩となって・・・。

 

冒険小説らしい派手なアクションもスリル満点の場面も登場しませんが、ひとりの少年の成長譚であり形を変えた父と息子の物語として読み取ることの出来る心に沁みる作品です。

 

ちなみにお亡くなりになった高倉健さんは最後までこの作品を映画化したいと念願されていたそうです。

 

最後にシリーズの中でのスペンサーのシビれるセリフを!

「名前はスペンサーだ。ボストンの電話帳に載ってるよ。タフという見出しの項にな!」

 

 

 

 

ジャック・ヒギンズ / 鷲は舞い降りた

 

「この世は万能の神が頭がどうかしているときに思いついた下手な冗談事に過ぎないんだ。私はいつも神様はその朝たぶん二日酔いだったのだろうと考えている」

 

多くの作家や書評家が最高傑作に挙げている、冒険小説の金字塔のような作品です。

 

第二次世界大戦末期、敗色濃厚なドイツが起死回生を狙ってチャーチル誘拐という無謀な作戦を立案します。

 

ほとんど成功の見込みのない愚かな作戦に挑むのは、クルト・シュタイナ中佐率いる15名の空挺部隊。彼ら自身この作戦が成功するとはまったく思ってはいませんが、それでも彼らは作戦に赴いて行きます。

 

その心境をシュタイナはこう語ります。

「答えは簡単だ。そこに冒険があるからだ。俺は偉大なる冒険家の最後のひとりなのだ」

 

そしてシュタイナと空挺部隊はチャーチルが週末を過ごす予定の、イギリス本土の寒村に降下します。

 

ドイツのSS本部に入った暗号は「鷲は舞い降りた」!いよいよ彼らの闘いの幕は切って落とされました。

 

この作品は他の作品と違ってシュタイナ始め空挺部隊を、心優しく勇敢で誇り高き軍人として描いているのが特徴です。そして全編に漂うセンチメンタリズムが読み手に沁み渡って来ます。

 

冒険小説の最高峰!手に取ったら眠れませんよ!

 

 

 

 

言い訳のようなまとめ!もしくはまとめっぽい言い訳!

 

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お読み頂いた方の中には何故あの作家が!とか何故あの作品が!と激怒されている方もいらっしゃることでしょうね。

 

大御所アリステア・マクリーンもフレデリック・フォーサイスも、クライブ・カッスラーのスティーブン・L・トンプスンも、その他いっぱいいるけど出てこんのはけしからん!・・・とも。

 

確かにそのお気持ちは分かりますが、やはり数ある冒険小説の中で10冊を選ぶのは骨が折れましたね。

 

ただ今回は現在自宅の本棚にある中で記事を書くにあたって再読や再々読や再々再読したという条件の下に作品を選んでみました。

 

お読みになった方は「ああ、あの場面とかあのセリフは良かったな」と感慨に浸り、未読の方は今すぐAmazonでポチるか、お近くのブックオフへ急ぎましょう!

 

 

 

rintaro95.hateblo.jp

 

 

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