若者はグリーン車に乗ってはいけないのか
伊集院静さんの「別れる力」という著作の中の「グリーン車に乗るバカな若者たちへ」というエッセイを読みました。とにかく若い奴らはグリーン車などには乗ってはいかん!そのようなスタンスで書かれているもので。
なぜこんな若い奴がグリーン車に載ってるんだ?盗みでもしたのか。そういう若者は身に付けているものも妙だし行動もおかしい。第一、顔の相が良くない。稼ぎもないのにこういうことが平然とできるのは、金を渡した親もバカだがやはり当人が無知なのだろう。オマエ達の座るところじゃないだろうが、分をわきまえんか。 若くしてこういうことを平気でできるやつは十中八九人生に失敗する。
要するに若者は自由席が相応しいということでしょうか?趣旨は分からないこともないし言いたいことは理解出来ますが少し極端すぎるような気がします。
確かにある程度の年齢になって初めてグリーン車に乗ったときは「やっと自分もグリーン車に乗れるようになったか」と思うの事実です。
また芸人さんの世界ではグリーン車に乗れるようになったら一人前だと言われているそうですがその気持もよく分かります。
その一方で先日偶然見たテレビのトーク番組のゲスト出演していた、ある二世タレントは「幼い頃から一般の人の普通と自分の普通は違う」と言い。
物心ついた頃からグリーン車以外乗ったことがない、さらに大人になるまで飛行機に、エコノミークラスがあることを知らなかったと堂々と語っていました。
この両極端な対比は実に興味深いですね。これはどちらが正しいか正しくないかで論じることべきことなのかそこが問題ですね。
二世タレントの言う自分の普通が世間の普通と乖離していることは明白ですが、それは彼に責任があることではなく両親がそういう風に育てた結果で、彼を一方的に責めるのは少しかわいそうな気がします。
大切なことは若者がそこにいるからいかん!ではなくそこにいるべきマナーをきちんと身に付けているか否かだと私は思います。
グリーン車に乗っている年配の男性がすべてマナーをわきまえているかは、私の経験でははなはだ疑問ですね。
これは高級店を言われるレストランや鮨屋でも言えると思いますが、敬意を持ちマナーをわきまえ堂々とそれでいて嫌味なくふるまえる。
問題の本質は実はそんなところにあるのかな?そんな風に思えた一文でした。