少し前にある芸能人の方が、高級レストランに子連れで行かれたことが、ネット上で話題になり、賛否両論渦巻いていました。
またそれより前に某作家の「子供を寿司屋に連れて来るな」というエッセイも反響を呼びましたね。
そもそもどのような店を高級店と呼ぶのか、その定義は人それぞれで難しいところですね。
「年収300万、400万の人が高級店で食事するのはおかしい」と発言したイタリアンのシェフもいましたが、そのシェフと私では高級店に対する定義は当然違います。
ここではあくまで一般論として(官僚の国会答弁みたいですね 笑)、少し贅沢しようと思うときに利用するお店、子供の年齢は中学生以下という認識で考察してみたいと思います。
まず「子連れ」賛成派の意見ですが、おおまかに言って次のような意見に集約されると思われます。
- 子供がいても、いい店で楽しみたい。
- おとなしくして周囲に迷惑を掛けなければ問題ない。
- 子供にマナーを学べせる機会になる。
- 店側が「子供お断り」でないならいい。
- ディナーはダメだが、ランチなら問題ない。
こういったところが多いですね。一方反対派の意見はどうでしょうか?
- 騒いだりして周りに不快感を与える。
- 修行して来た料理人に対して失礼である。
- 味が分からない子供に、高級店の料理を食べさせるのはおかしい。
- 親がTPOをわきまえていない。
- 高級店に来る余裕があるならベビーシッターに頼めば良い。
このようなものですね。中には「自分が苦労してやっと行けるようになった店に、子供が堂々と座っているのは許せない」なんていう意見もありました。
因みにネット上では反対派が多いようですね。試しに自分の周りにも意見を求めましたが、やはり反対派優勢でした。
賛成派の意見、子供がいても楽しみたいという気持は理解出来なくもありませんが、果たして小さなお子さんを連れての高級店で食事が、楽しめるのか純粋に疑問が残るところですね。
そしてこれはよく議論になる点ですが、周りに迷惑掛けてないから何の問題もないという意見、
つまり「迷惑を掛けていないイコールマナーを守っている」という考え方には大いに異論があります。
迷惑を掛けていないから、不快な思いをさせていないと考えるのはパブリックマインドに欠けた発言で、いささか短絡的と批判されても仕方のないところではないでしょうか?
子供にマナーを学ばせることについても、それは普段家庭ですべきことであってきちんとマナーを教えた上で連れて行くべきだと思いますね。
最近では景気が低迷しているせいで、子供連れを断っていたら商売にならないから仕方なく受け入れているという、店も少なくないようです。
確かに家族連れで楽しく食事をされているのは、微笑ましい光景ではあります。
しかしながら食事を楽しむことは雰囲気も楽しむということで、例えばドレスコードのあるお店などで、客側がそれを守るということはお店やそこで働く人たちへの敬意の表れでもあります。
その点をもう一度考えてみるべきではないでしょうか?
ただ反対派の意見にも無条件で頷けないところもあります。
子供に味が分からないと断定的に言いますが、果たして自分も含めて大人がほんとうに味を分かっているのかは疑問ですね。
にわかグルメ論の受け売りなんていうことも多いように思います。
それにベビーシッターを頼めというのも、乱暴過ぎる意見に思えます。高級店によくいる排他的常連さんにこのような考え方の人が多いのも事実です。
私個人的には、やはり大人にならないと行けないようなお店があってもいいと思います。
ただ子供の行儀やマナーを排除する前に酔って大声で騒いだりマナーの悪い大人こそ、注意されるべきだという意見もよく耳にします。
反対派ももう一度、自分たちのマナーについて考えてみるべきだと私は思いますが…簡単に答えの出る問題ではなさそうですね。