京都人が1年掛けて「そうだ京都へ行こう」を実践したら京都の魅力を再認識した!
「京都人は京都の観光名所には行かない」これは京都あるあるでよく言われることですね。
事実ある程度の年齢になっても金閣寺も清水寺にも行ったことがないという人も多く「京都の人だから名所には詳しいんでしょうね」と言われると非常に困ってしまいます。
私自身も初めて金閣寺に行ったのは、東京の友人が遊びに来た約10年くらい前で「おお!めっちゃ金色やん!」とはしゃぎまわって「京都の人間なのに・・・」と友人を呆れさせたという黒歴史を持っております。
そんな私が京都の神社仏閣を巡ってみようと思ったきっかけは、偶然ユーチューブで観たこのCMでした。
「ある日突然闘うのが嫌になりました。花や虫たちと暮らすことにしました。と言ってこの庭を戦国時代の武将、石川丈山が造ったそうです。まぁいろいろあったんじゃないでしょうか?」
う~んなんとカッコいい!長塚京三さんのこのナレーションにはシビれましたね。
しかも石川丈山と言えばそこいらの武将ではありません。徳川家譜代の家柄で家康の信頼も厚く、駿府城では家康の寝所の側にいて言わばボディーガードをしていたほどの武将で、大阪夏の陣では武名を轟かせ、また藤原惺窩に儒教を学んだという文武両道の達人です。
恥ずかしいことに詩仙堂の存在すら知らなかったんですが、その日はもう一日中JR東海のCMを観て「京都もなかなかやるやん」と改めて地元の名所を巡ってみようと思い立ったわけですね。
CMは四季を通じて様々なところを紹介しているので、これはもう季節ごとに巡っていくしかない!と決意し一年がかりの「京都人がそうだ京都へ行こうを巡る計画」がスタートしたのでした。
スタートは春の桜!東寺のライトアップ!
京都の花見の名所と言えば「円山公園」や「嵐山」「醍醐寺」に「原谷苑」など数多くありますが、今回は行ったことないところにしようと決めていたので、出たしは近場からとまず選んだのは「東寺」。
ここは自宅から徒歩で行ける圏内で、子供の頃の遊び場だったんですが、何故かこれまで花見に行ったことはなかったんですね。
ちょうどライトアップの期間中だったのがラッキーでした。
いやぁ参りましたね。子供の頃からそれこそ数限りなく東寺には行ってますが、こんなに見事だとは思ってもみませんでした。身近すぎて今まで軽く見ていてごめんなさいと心のなかで謝りながら東寺を後にしたのでした。
続いては龍安寺へ!
翌日に向かったのは応仁の乱で東軍の総帥だった細川勝元が創建した、枯山水の石庭と鏡容池で有名な「龍安寺」。
この石庭の石はどこから眺めても必ずどこかひとつの石が見えないように配置されてます。桜は遅咲きで満開ではなかったですが、座ってじっと眺めていても飽きないくらい趣きのある見事な石庭で大満足のひと時でした。
そして春の締めくくりは二条城!
花見の最後は世界遺産の二条城。徳川慶喜が大政奉還を行ったところであり、かつては皇室の離宮としても使用され、二の丸御殿は国宝に指定されています。
二条城の花見も夜のライトアップに行って来ました。
二条城は広いので様々な桜が楽しめ光のショーも良かったですが、ライトアップの美しさという点においては東寺の方がより堪能出来たように感じました。
花見の場ではお酒を飲んで宴会するのも楽しいですが、数ヶ所をじっくりと桜を愛でるのもいいものですよ。
今年の花見もすでに行くところは決めてあります。春が待ち遠しいなぁ。
秋の紅葉めぐり!おすすめ厳選コース♪
あれ?夏はどうした?と思われるでしょうが、昨年の夏は忙しかったことに加え東京滞在が多く「祇園祭」も「大文字焼き」も見ることが出来ず(さして見たくもないですが 笑)、その変わりに秋の紅葉は思い切り堪能して来ました。
実は何を隠そう私は春の花見よりも、秋の紅葉の方が好きなんですね。だから紅葉めぐりは春よりも楽しみにしたおりました。
そして最初はやはりここしかないでしょう!と迷わずチョイスしたのがこちら!
春を捨てて秋を取った東福寺!
東福寺が春を捨てたとはどういうことでしょうか?これもJR東海のCMで初めて知りました。
「昔この寺のお坊さんは境内の紅葉を残して、桜の木は全部ばっさり切らせたそうです。春を捨ててその分秋という季節を大切にしたかったのでしょうか。うん潔いな」
なんたる潔さ!そこまで秋を大切にしているお寺ならこれは行かずばなりますまい!という訳で秋のスタートは迷うことなく東福寺へ。
さすが春を捨てた東福寺!大変素晴らしかったのですが、前日に激しい雨が降ったせいでかなり葉が落ちていたこと。
そして門をくぐってすぐの通天橋での写真撮影が禁止されていたこと。橋から見える紅葉は絶景だけにう~ん無念です。
光明院は少し早すぎました・・・。
東福寺から歩いて15分のところにある光明院。このお寺も枯山水の庭園で有名ですね。ここの庭園と紅葉のコラボも素晴らしいものがありますが、陽当りの関係か今回はまだ少し早すぎて、見事とまでは行かなかったですね。
因みにこの光明院は我が家の菩提寺で、私の入るの墓地もここにあります。まぁあと30年はその予定はありませんが。
光明院 | 京都の観光スポット | 京都観光情報 KYOTOdesign
夜の永観堂は圧巻でした!
古今和歌集で「もみじの永観堂」と詠まれた紅葉の名所である永観堂。多宝塔や放生池に映える紅葉は幻想的という言葉がピッタリ!
昼とはまったく違う顔を見せる紅葉は、思わず見とれるほど。ここは必ず抑えておきたい紅葉の名所です。
ライトアップは6時からですが、6時に行ったらすでに長蛇の列!行かれるなら少しや早めに到着するようにした方がいいですよ。
紅葉真打ちは曼殊院!
左京区の一乗寺周辺には有名無名ふくめ、たくさんのお寺がありますが紅葉と言えばやはり曼殊院がおすすめです!
ただ曼殊院は他のお寺とは違って、枝から落ちた紅葉が真っ赤な絨毯ように広がっているのが有名で、散り始めが一番美しく行く時期を慎重に選ばないといけないのが難点です。
曼殊院の特長は何と言っても紅葉の「赤」が見事なことですね。拙い写真では分かりにくいですが、他の場所とは違ってこんな見事な「赤」があるのか!と思わずため息が出るほどの美しさでした。
冬の京都は穴場スポットを中心に!
コンビニよりも神社仏閣の数の方が多いと言われてる京都。中には超メジャーで年中観光客で溢れているお寺もありますが、さほど拝観する人は多くなくても趣きのある魅力的なお寺も多くあります。
冬の京都はそんなところを中心に回ってみました。
いよいよ詩仙堂へ!
詩仙堂はCMと同じ夏に行く予定でしたが、行く機会がなく紅葉はあえて外して冬に行って来ました。
もし雪が降ったら最高だろうなと淡い期待を抱いていましたが、今年も冬は暖かくて期待はもろくも崩れてしまいました。
しかしずっと行きたかったところだったので、やはり感慨深いものがありましたね。
実際に詩仙堂でししおどしの音が響く静かな庭を眺めていると、何故あのCMが夏だったのか理解出来るような気がしました。
夏に咲く花と蝉の声や蝶々、それがこの庭に一番合っているように思います。丈山もやはり夏の庭園が一番好きだったのではないかな。そんな風に思いました。
京都のお寺は原則室内撮影禁止で、詩仙堂もまた同じでしたが狩野探幽が描いた「三十六詩人」など見どころは盛りだくさんでした。
さすが文武両道の達人石川丈山ですね。
詩仙堂に引けを取らない趣きのある圓光寺!
詩仙堂から徒歩5分、徳川家康が開基した圓光寺。山門をくぐると龍が奔り雲海が煌めく「奔龍庭」や、洛北最古と言われる「水琴窟」が有名ですね。
また奥の山には家康を祀る東照宮もあります。
圓光寺も見るべきものがたくさんあります。やはり撮影禁止ですが円山応挙の屏風や、千手観音像、日本において初期の活字本である伏見版など。
京都のお寺は小さくても奥が深いですね。
瑞巌山 圓光寺 | Zuiganzan Enkouji Temple
松尾芭蕉ゆかりの金福寺!
圓光寺を出てまたまた徒歩5分の場所にあるのが金福寺です。このお寺は松尾芭蕉が滞在した茅葺き屋根の茶室「芭蕉庵」が有名ですね。
一時は荒廃していたそうですが芭蕉を敬慕する、与謝野蕪村とその一門が再興したのが現在の「芭蕉庵」です。
蕪村はこのお寺で度々句会を開いていたそうで「俳諧の聖地」と呼ばれているそうです。
おまけ!
今回のお寺巡りで発見した可愛いお地蔵さんの画像を最後に!
六角堂のお地蔵さん!たくさん並んでいる中でこのお地蔵さんだけが可愛い表情でした。
こちらは新京極にある誓願寺のお地蔵さん!このお地蔵さんをわざわざ見に来る観光客の方も多いそうです。
このふたつのお寺はこのお地蔵さん以外あまり見るべきものはありませんでした(笑)
まとめ
こうして3つの季節に渡って京都の名所を巡って来ましたが、初めて行くところも多くどこに行っても興味深かったですね。
おそらく観光で京都に来られた他府県の方の方が、京都人より京都の名所をよくご存知ではないでしょうか?
今回冬のお寺巡りは金閣寺や清水寺に南禅寺など、誰もが知っている有名なお寺には行かなかったですが、改めて一乗寺周辺のお寺の趣きのある素晴らしさを再認識しました。
曼殊院に詩仙堂から円興寺と金福寺、その他にも本願寺の別院や宮本武蔵の一乗寺下り松の決闘でお馴染みの八大神社など。
これらの名所旧跡が徒歩で回れるのがいいですね。京都のお越しの際は是非一乗寺周辺を散策してみて下さい。
新たな京都を発見出来るかも知れないですよ!