バブル期を頂点に減少し続けているゴルフ人口ですが、それでも現在500万人とも600万人とも言われ、国民的人気スポーツであるのは間違いないですね。
そしてゴルフを始めた人が、必ずと言っていいほど目標にするのが、ローハンディキャッパー!いわゆるシングルプレイヤーですね。初心者にとってはもう神の如き存在です(笑)
もちろん私もそれを目標に、日々練習に明け暮れていたわけです。現在はゴルフの練習法も年々進化し、理論にもとづいて体系化されています、
しかし当時は今では信じられないような精神論がまかり通ってましたね。
ゴルフのトンデモ練習法
私がビギナーの頃はまだパーシモンにスチールシャフトという、今では博物館行きのようなドライバーを使っているゴルファーも多く、ツアープロも約半数はまだヴィンテージのパーシモンを使用していました。
現在はクラブやボールも進化しそれにつれて、スイングに対する考え方もシンプルになりましたが、当時は意味のない根性論的練習法を先輩ゴルファーから聞かされました。
いくつかをご紹介すると・・・。
上手くなりたければ大型ダンプ一杯打て!
大型ダンプ一杯分がどれだけの量なのか、まずそれを教えて貰いたいところですが、これはもう明らかに間違った練習法ですね。
ビギナーがやみくもにボールを打っても上達するどころか、体を痛めるだけで返って逆効果でしかありません。
「ビギナーはボールを打てば打つほど上達しない!」始めたばかりの方はこれをよく覚えておいて下さい。
スイング作りが出来ていないビギナーは、インパクトゾーンを意識したスイングではなくボールを当てに行くことばかり集中しがちになります。
その結果打てば打つほど正しいスイングから遠のいてしまうんですね。
5番アイアン1本でスイングを作れ!
これもよく聞く言葉ですね。人によっては7番と言う方もいますが、それも明らかに間違いです。
5番アイアンのロフト角(フェース表面の斜めになっている角度です)は、標準で28度、それが最近のストロングロフトでは22度!
初心者がこのロフト角で、正確に球を捉えるのは至難の技です。それこそダンプ一杯分打つ必要がありますね。
「初心者にはロフト角30度以下のクラブでの練習は不必要です」
左手だけでボールを打て!
これは右打ちの場合ですが、左手1本でスイングすることで体の開きを抑え、正しいボディーターンが出来るそうです。
はっきり言って意味不明です。
左手だけで打て次に右手だけで打つ、これは確かに効果的な練習法ですが、ある程度グリップがしっかりしていないと、ボールは真っ直ぐ飛んでくれません。
まだグリップが不安定なビギナーがこの練習をすると、フォームのバランスが悪くなるだけでまったく効果はありません。
再現性の高いスイングをするためには、体全体のバランスの良さが重要です。 片手打ちの練習する暇があったら、最初は体全体の動きを意識しながら練習しましょう。
聞き覚えがある言葉だと思いますが、これらは一切無視すべきです。
ゴルフの上達にはお金と時間が必要だと言われています。
確かにクラブ一式を揃えたり、練習場の料金やコース料金。それにシューズやウェアなど、始めるに当たってはある程度の金額は必要になりますね。
お金と時間に余裕がある方は別にして、そんな余裕がない我が身としては出来るだけお金を掛けずに上手くなりたい。
そこでビギナーのスイング作りに一番効果的な練習法とは?
ウエッジでひたすら30ヤードを打つ練習をする!
インパクトを点ではなくゾーンとして捉えるのに、一番効果的なのはウエッジでバックスイングとフォローは腰から腰まで、ゆっくりとスイングし30ヤードを真っ直ぐに飛ばす練習をしましょう。
その時ボールの手前15cmからボールの向こう側15cm、このゾーンを真っ直ぐにクラブを通すことだけ意識して下さい。
アメリカのツアープロはこの腰から腰までを「ビジネス・ゾーン」と呼んでいます。このゾーンが正確になるとビジネスになる、つまり賞金が稼げるということですね。
ドライバーをフルスイングを500球打つよりも、この練習法で100球打つ方がはるかに効果があります。
コストパフォーマンスもよく、上達も早い一石二鳥の練習法ですね。
鏡の前でひたすらシャドースイング!
よく駅のホームで傘をクラブ代わりに、スイングしているお父さんを見掛けますが、意識としてはあれに近いですね。
クラブを持たず鏡の前に立ち両手の平を、体の正面で合わせ体の軸を意識して、左右にブレないように、ボディーターンを意識しながらスイングする。
ただこれだけです。簡単ですね!簡単ですがこれを1時間続けるのは結構大変なんですよ。
私は鏡にマジックで印を付け、頭のちょうど真ん中を印に合わせて、シャドースイングを行い体のバランスを覚えるようにしました。
練習用マットでマッチ棒をウエッジで打つ!
次の練習法はかなりユニークですが、これを繰り返し練習することによって、ミート率が格段にアップしました。
まず用意するものはこの三つ!
練習用マットにウェッジですね。そしてもうひとつ。
マッチ棒の先端の赤い部分を飛球線に向けて置き、それをウェッジで30ヤードを打つときと同じように打つだけです。
少しでもダフったりトップすると、マッチ棒はきちんと飛んでくれません。
正しくマッチ棒をクラブフェースで捉え、飛球線に真っ直ぐ飛ぶように毎日繰り返し練習しました。
ポイントは当てに行かずに、インパクトゾーンの中でマッチ棒を捉えることを意識すること。そして決してすくい上げようとしないことが肝心です。
重いボールでパター練習!
せっくパーオンしても、3パットばかりではスコアは上がりませんね。そこで自宅で簡単に出来て上達するのがこの練習法です。
これは手首を鍛える通常よりもかなり重い、トレーニング用パワーボールです。このボールをカーペットの上に置き、パターフェースボールにつけてそのまま真っ直ぐに押し出す練習です。
バックスイングを取ってヒットすると、ボールの重さでパターが弾かれ逆効果になるので、必ずボールにフェースをつけてフォローだけで押し出すようにして下さい。
これを繰り返すことによって正確なストロークが得られるようになります。
コースに出たらグリーンの傾斜や芝目によって、強さは変わりますがこの練習によって平均パット数は確実に減りました。
どれも単純で退屈な練習法ですね。しかしスポーツの上達はその退屈な練習を、いかに根気よく続けられるかによっ大きく変わって来ます。
ただこられの練習法は、あくまでも個人的に有効だったもので、どなたでも実行すれば上達するのかは保証するものではありません。
しかし私が8ヶ月でシングルになり同じ頃ゴルフを始めた甥が、その後プロゴルファーになったことを思えば、そんなに間違った練習法ではなかったと思います。
練習法は人それぞれに、合ったやり方があると思います。正しい練習をすれば、シングルへの道はそう遠くない。
たまには視点を変えて、自分に合った練習法考えるのもゴルフの楽しみのひとつだと私は思います!