我が家にオスのラブラドールがやって来て今年で9年目を迎えました。
毎日いっしょに生活しているとなかなか気付かないものですが、たまに幼い頃や今よりずっと若い頃の写真を見たり、イビキをかき寝言(正確には寝鳴きというんでしょうが)の声が大きくなったり。
そんな姿を見ていると「ああ、こいつも年を取ったなぁ」と表現しがたい感情にとらわれる時があります。
これはおそらく犬を飼っている方には共通する感情ではないでしょうか?
うちにやって来たばかりのときの少し怯えた表情や、いたずら好きで何をしても可愛く愛嬌にあふれ飼い主に自然と笑顔を運んでくれた仔犬の頃。
家族といっしょに暮していれば些細な葛藤があったり様々なことで、家族の中心のようなものぼやけてしまいがちですが。
そんなとき犬が(猫や他のペットもそうですが)一匹いるだけで会話が弾んだり明るくなったり犬を中心に家族が回っていると感じることがありますね。
なぜ犬たちがそのような能力あるいはパワーを持っているんでしょうか?
それは犬たちが飼い主に対して絶対的な信頼を持ち、いつも飼い主に寄り添ってくれる存在だと日常の触れ合いの中で感じさせてくれるからだと思います。
犬との大切なコミュニケーションのひとつに「アイコンタクト」があります。これは一番基本的な躾けですが、目と目を合わせ互いの気持ちの交流をはかるのは考えることの出来る動物の特権ですね。
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そこで犬は飼い主に対する忠誠心を学び、飼い主は決してひるがえらない犬の無償の愛情を感じることが出来るのは心が穏やかになる瞬間です。
犬と生活していると飼い主との間には言葉に尽くせないほど、楽しく心豊かでそれでいて切ない時間が流れて行きます。
気持ちが沈んでいるときや悲しいことがあったとき、そっとそばに来て体をすり寄せて来ると「今自分はこいつに救われているんだ」と感じることがあります。
そんな存在である犬に少し老いが見えて来ると「この先何年いっしょにいれるのかな」という気持ちが覆いかぶさって来ますね。
今まで何匹も犬を飼って来て最期を看取りましたが、どの犬に対してもそんな思いを抱きました。
生あるものに死が訪れることに例外はありません。人は一生のうち何度も別れを経験するものです。
仕方ないことだと分かってはいてもやはり考えると切ない気持ちになります。初めて我が家にやって来たとき「飼い主として責任を持って最期まで飼ってあげよう。こいつを守ってあげよう」そんなことを思いましたが。
実は守られているのは自分の方かも知れないな・・・。