京都路地裏アブナシュラン!三つ星の体験をして来ました♪
京都は繁華街でも比較的古い街並みがまだ残っていて、祇園や先斗町でも昔ながらの路地がたくさんあります。
そんな路地の奥に隠れた名店があって自分だけの店を発見するのも楽しみのひとつでもありますね。
それとは逆に良く言えば昭和の香りがする、悪く言えば「これはどう見ても怪しいやろ」というお店が集まっている路地も存在します。
そしてそんな怪しい路地の中でも飛び切り怪しいお店に飛び込みで入り、その怪しさとスリルを大いに満喫しようをコンセプトに、「アブナシュラン」と勝手に命名した遊びを友人たちと行っているわけですが、先日久々に4人のオヤジが集結し「アブナシュラン」を敢行。
今回はその決死の突撃レポートをお送りします!
参加メンバーの紹介
オヤジ一号 中学時代からヤンキー道をまっしぐらに進むも三流高校入後、なぜかいきなり医学への道をこころざし、悪戦苦闘紆余曲折の末どうにか三流医大に進学し無事三流医師になったオヤジ。趣味は薄毛対策。
オヤジ二号 東京の三流大学時代に役者になろうと仲代達矢主宰「無名塾」のオーディションを受けるも見事不合格!その後急に国防に目覚め自衛隊に入隊。しかし役者の夢が諦めきれず東映へ。現在映画やドラマでその三流役者ぶりをいかんなく発揮しているオヤジ。趣味は木刀の素振り。
オヤジ三号 マズい料理をトークでカバーしている三流割烹の店主。修行時代「料理の鉄人」から出演オファーを受けたが断ったというエピソードが唯一の自慢だが、その真偽のほどは誰も知らない口先三流料理人のオヤジ。趣味は趣味はアウトドアという名の昼飲み。
オヤジ四号 この記事の筆者。幼い頃よりその聡明さと素直で実直な性格から将来を嘱望されていたが、中学時代音楽に目覚めミュージシャンの道を目指す、しかしその有り余る才能に時代がついて来れず断念。その後大病を患い三度の手術を経験するも、不死鳥のごとく蘇り料理人を経て現在はバイヤーと文筆業その他もろもろに従事。趣味はクラシック音楽と美術館巡り♡
いざ突入!
今回は京都市内の某繁華街にある路地。京都の人に言えば「ああ!あそこね」と分かる場所ですが、記事の内容上ここはあえて地名は伏せておきます。
ヒントはこちら!わかる人にはわかるかも。
路地の入口は居酒屋さんが軒を連ねていて、つきあたりを左に曲がると怪しさ満点のスナックが並んでいます。
さてどこにしようかなと各お店の看板を眺めること数秒、「ここしかないやろ!」とほぼ同時に4人が指をさしたのが、鮮やかな紫色の看板に白抜きの文字で店名が入ったスナック!
しかも店名が「スナック めん◯い」いわゆるルックスを重視する人という意味の言葉ですね。う〜んご冗談がお上手・・・。
しかもその看板が割れて中の電球が丸見え。店の前にはビールケースが無造作に積まれ白いドアは所どころハゲて下地がむき出し!
もうこれ以上怪しいお店はないと4人は無言でうなずき合い、各自今一度気持ちを引き締めいよいよ店内に突入したのでした。
いきなり突き刺さる視線!
恐る恐るドアを開けると「いらっしゃいませ〜」正面にいきなりあき竹城さんにそっくりのママと思しき女性が笑顔を見せることもなくカウンターの中で仁王立ち。
お店はL字型のカウンター10席で奥に先客が3名。案内されるままに先客3名の突き刺さるような視線を感じながら席に着きました。
この段階で我々の気持ちの中でもしやの緊急事態「エマージェンシーレベル3」が点滅していたのですがまずはとビールを注文。
「よろしかったらママもどうぞ」と言うことでとりあえずは乾杯!そこでママが「今日はどなたかの紹介で来はったん?」
「いやいや、この店を紹介してくれる人とは金輪際友達にはなりたくない!」(心の叫びその1)
しかしそんなことはおくびにも出さず「偶然通りがかって入ってみようかな?なって」と不必要なまでに明るく答えているとその時!
「お〜いお兄ちゃん!」奥の先客からお声が掛かりそちらをみてみると、スキンヘッドにコールドパーマそして五分刈りと見事に「昭和三大いかついヘアスタイル」の見本のようなお三方がこちらを見ておりました。
すわ!これは一大事に発展するのだろうかと身構える4人のオヤジ!その中で長年仕事で培って来た営業スマイルを目一杯浮かべながらオヤジ3号が「お兄ちゃと言われるほど若くなないですけどねハハハ」
すると先客はそんな愛想笑いに表情を変えることなく「この店は明朗会計やから安心して飲んで行きや」
そこで初めて先客3名のご尊顔をじっくりと見させて頂いたのですが、その風貌からかもし出す雰囲気や仕草に至るまで現在もしくはかつて頭に「ヤ」のつく職業に従事されていたことは安易に予想されました。
「いや、あんたらがいるから安心出来ひんねん!」(心の叫びその2)
ここでもまた年齢を重ね大人の処世術を心得た我々は「それは安心して飲めますねぇ。楽しませてもらいます」などとかつて太鼓持で名人と言われた悠玄亭玉介師匠ばりの絶妙な相手の機嫌を損ねることのない相槌を返して場を和ませることに努めるのでした。
第二の女性登場!
そこでドアが開き「ただいま〜」と女性の声が。振り向くと「オアシズ」の大久保佳代子さん似の女性が我々を見て「あら、いらっしゃいませ〜」と言いながらカウンターの中へ。
どうやら大久保さんはこの店の従業員さんでお客さんを送り出した帰りのようで「いやぁ今日は若いお客さんがぎょうさん来てはるわぁ」
「いや・・・若いって俺らどう見ても完全にオヤジやで。それを若いってこの店の客の平均年齢どれだけ高いねん!」(心の叫びその3)
しかしここでもアブナシュラン百戦錬磨の我々は顔色ひとつ変えることなく「若いって言ってもらえて嬉しいねぇまぁ一杯どうぞ」と余裕をぶっこいていました。
そこからは竹城ママは我々の前に大久保さんは先客の前にというシフトで楽しいご歓談となりました。
他愛のないことを話しながら飲んでいたのですが、何せ狭い店内ですから先客の話しがまる聞こえ。
どうやらその内容からするとスキンヘッドさんが大久保さんをお気にりのようで、盛んに口説いていて他の2名がそれをアシストしている様子が伝わって来ました。
客商売の鉄則としてたとえ嫌でも露骨に断ることは出来ないわけで大久保さんは「こう見えてもわたしは身持ちがかたいんやからね」などとシナを作っておりました。
「こう見えて・・・いったいどう見れば・・・小一時間聞いてみたい」(心の叫びその4)
そしてここでこういう店での話題を変えたい時の典型的パターンとしてカラオケが始まるわけですね。トップバッターは先客3名のうちのひとり五分刈りさんが歌い上げる村田英雄先生の名曲「なみだ坂」!
それはもう店中に響き渡るようなダミ声で、しかし五分刈りさんは周囲を気にすることなく自分の世界に没入されております。
そして3コーラス目ラストの♪なみ〜だが枯れるまで〜〜〜と歌い終わるやいなや我々全員大拍手!
「やっと終わったぁ、しかしマイクの音量もっと下げんかい!」(心の叫びその5)
ここでもまた「いやぁお上手ですねぇ」「情感がこもってます」などとこちらも名太鼓持ちと言われた桜川ぴん助師匠ばりのよいしょをして五分刈りさんの気分を良くしておいたのは言うまでもありません。
その夜のハイライト謎の珍客乱入!
その後徐々に場の雰囲気も和やかになり比較的楽しく飲んでいるといきなりドアが開き、明らかに酔っ払っていると思われる初老の男性が入って来ました。
「なに〜あんた帰ったんちゃうの?」
「また来てしもうたぁ」
「はよ帰らなあかんやないの」
「ええねん!それよりビール3本!」
それから竹城ママの「帰り!」と初老さんの「ビール3本」の応酬がしばらく続きさすがに根負けした竹城ママが「これ飲んだら帰るんやで」と仕方なくビールを3本カウンターに並べました。
ちなみにこの間初老さんは椅子に座ることなくずっと立ったまんま・・・我々はこれはいったいどういう展開なんだと訳も分からず眺めているだけ。
そんな中ビール瓶を手にした初老さんは奥の先客の元へ、「お兄さん一杯行こう!ママグラス並べてはようしてや」そしてグラスが並べられると3名に次々とビールを注いで行きます。
唖然とそれを眺める我々・・・初老さんは3名に注ぎ終わるとこちらへやって来て「さあ!お兄さんらも一杯行こう!もうグ〜っと行こう!」とオヤジ1号から4号までのグラスにビールを満たして行きます。
そしてまたまた「さあさあグ〜っと」そう言われたらとビールを飲み干すともう一度全員のグラスにビールを注ぎそして「ほなまたな〜」言い残しなんと!そのまま店を出て行きました。
「なんやねん今のは・・・」我々はただ黙って顔を見合わせるだけ。その後取り立てて何事もなく「じゃあお先に」と店を後にしましたが、お会計はスキンヘッドさんがおっしゃっていた通りの明朗会計でありました。
まとめ
今回のアブナシュランはこのような感じでしたが、これまでにも数回この企画を実現して来て一番安全かつ安心な回だったような気がします。
ほんとはもっと面白いこともあったんですが、さすがにブログに書くには少し憚られることもありまして・・・。
もし京都在住もしくは京都へ行ったら是非ともそのお店に行って見たいと思われる方は私に連絡頂ければ詳しい場所と店名をお教えしますので遠慮なくお訊ね下さい。
ただし私は決して同行いたしませんので悪しからず!