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飲食店の無断キャンセル問題!逮捕や訴訟は抑止力になるのか?

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news.livedoor.com

 

 多くの飲食店を悩ませている予約の無断キャンセル、いわゆるNo show問題でついに偽計業務妨害容疑で逮捕者が出ましたね。

 

偽計業務妨害

虚偽の風説を流布しまたは偽計を用いて人の業務を妨害する罪

流布とは犯人自身が公然と文書、口頭で伝達するほか噂を流す行為も含む

偽計とは人を欺瞞誘惑し錯誤不知を利用する違法な行為を言う

警察や消防、企業などへの度重なるいたずら電話や、ネットでの犯罪予告などに適用され3年以下の懲役または50万円以下の罰金

 

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

 

これに先駆けて2018年には40人分の予約の無断キャンセルに対し店側が訴訟を起こし、人数分の費用と訴訟費用全額負担をという判決を勝ち取っています。

 

これらの事例は飲食業に携わる者として多少溜飲の下がる思いですが、果たしてこれが無断キャンセルの強力な抑止力になるのかとなると問われると首をかしげてしまいますね。

 

そして今回逮捕につながった偽計業務妨害も「度重なる」や「過度の」などの注釈がつくようにすべての無断キャンセルに適用されるのかといった疑問もあります。

 

それと同時に飲食店側の事情や抑止対策の不備など様々な要因を探りながらこの問題について私見を述べてみたいと思います。

 

年々増加する無断キャンセルの被害額

 

無断キャンセルが社会問題になりつつあった2018年、経産省、農水省、消費者庁が飲食業団体と協議を重ね公表されたのだ「No show対策レポート」

 

このレポートによると無断キャンセル被害は年々増加し全国の飲食店のおよそ1%で起きており、被害総額は推計で年間2000億円にも上るとされています。

 

飲食店にとって1度の無断キャンセルは利益の損失ということ以外にも材料費や人件費、仕入れの手間や仕込みの水光熱費など様々な面でダメージをこうむってしまうんですね。

 

効果の見込めない事前対策

 

またレポートでは無断キャンセル抑止のため4つの事前対策を提案していますが、どれも穴だらけでおよそ具体的とは言い難いものばかりです。

 

1 連絡先の確実な把握と予約再確認の徹底

 

飲食店では予約の際に日時と人数そして名前と電話番号に加え、コース料理かバイ・オーダー(単品注文) か店によっては飲み放題はつけるのかといった点を確認します。

 

そして予約となるのですが繁盛店になると特に週末などは予約が殺到することがありますね。

 

予約日が近づいて再確認の電話をすることで多少の無断キャンセルを防ぐことはできますがその電話番号がデタラメであった場合、無断キャンセルの代金プラスそれがなかったとき取れていたであろう予約の損失も出るわけですから完全とは言えませんね。

 

これは電話予約だけではなくWeb予約についても言えることです。

 

2 客がキャンセル連絡をしやすいシステムの整備

 

これは対策と言えるのか甚だ疑問ですね。店側はホームページやグルメサイトなどあらゆる媒体に住所や電話番号メールアドレスを公開しています。

 

レポートにはキャンセル連絡を受けるための体制や仕組みを整備しておくことが大切だとありますが、電話一本でWebなら予約取り消しをクリックするだけでキャンセルが簡単にキャンセルできるのですから言ってることがほとんど意味不明です。

 

 

3 キャンセルポリシーやキャンセル料の目安を表示

 

レポートによるとキャンセル料としてコース料理の場合は全額、席のみの予約なら50%程度の損害賠償請求が可能としています。

 

これは店のホームページなどにキャンセル料が明示してあれば「違約金」として請求することはできますが、そうでない場合は店側は損害賠償請求に必要な損害額の立証をする必要があります。

 

しかしこれが最大のネックで大変な作業になります。

 

例えば無断キャンセルで無駄になった食材は店側としては損害ですがそれらの食材が他の客に使われなかったことや、無断キャンセルがなければおよそこれくらいの人数の客が入っていたであろうことなど。

 

これらをすべて店側が立証するのは容易なことではありませんね。

 

またレポートでは損害賠償請求は可能だと言ってるだけで請求額すべてが認められる訳ではありません。

 

そのようなことから実際に訴訟を起こすとなると弁護士費用やその他で結局店側の持ち出しで終わることが多く、そのようなリスク犯すくらいならと泣き寝入りすることがほとんどです。

 

4 事前に預かり金の徴収などの導入

 

レポート作成に参加した飲食業団体は本当にこれが抑止対策になると思っていたのでしょうか?ホテルなどを真似ているのでしょうがまったく理解に苦しみますね。

 

数ヶ月先まで予約が取れないミシュランに掲載されているような有名店ならまだしも、大衆的な店なら予約の段階で「事前に預かり金をいただきます」というと「そんな面倒ならもういいです」と断られることは大いに考えられます。

 

このシステムを導入することによって上客を逃してしまう危険性を考慮していない短絡的対策というしかありませんね。

 

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結局飲食店は性善説に頼るしかないのか

 

無断キャンセル社会問題として取り上げられてから「ノーキャンドットコム」という弁護士が立ち上げたキャンセル料督促代行サービスもありますが、これも相手が特定できて初めて請求ができるのであって虚偽の電話番号なら打つ手がありません。

 

無断キャンセルの被害がネットニュースなどに掲載されると「店側も自衛策を!」などと言われますね。

 

しかし店側が取れる手段は限られているのが現実です。だからと言って決して手をこまねいている訳ではなく各店知恵をしぼって自衛策を講じています。

 

最近では収束しつつあるとはいえ少し前に大問題になった「バイトテロ」に「無断キャンセル」

 

昔なら考えられなかったような問題にこれからのどこの飲食店は直面する恐れがあります。

 

そう思うと知人の飲食店オーナーがため息まじりに呟いたひと言が重くのしかかってきますね。

 

「もうこうなったら性善説を信じるしかないのかな・・・」

 

 

rintaro95.hateblo.jp

 

 

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