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百田尚樹「フォルトゥナの瞳」人の運命が見えたらあなたはどうしますか?

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「フォルトゥナ」ローマ神話に伝えられる運命の女神。運命の車輪を司り人々の運命を決めるという・・・。

 

主人公木山慎一郎ある日電車の中で、吊革を握っている男の手首から先が透けているのを目撃する。

 

それ以降体の様々な部分が透き通った男女を目撃するようになったある日、Yシャツとズボン以外すべて透明の男を見かけた慎一郎は男の後を追う。

 

そして横断歩道の信号が青の点滅をはじめ、慎一郎が足を速めた瞬間男はバイクに撥ねられ死亡する。

 

別の日には同僚と出掛けたビアガーデンで両手が透き通った女が、突然ビアガーデンのフェンスを飛び越え自殺。

 

そこで慎一郎は自分に人の死の運命を知る能力があること確信する。何とかその人たちを救う方法は?やがて慎一郎は自分と同じ目を持った医師黒川と出会い「人の人生に関わるな」と忠告を受ける。

 

かつて自分が命を救った人間が殺人事件を起こし、黒川はひとりの男を救ったばかりに罪もない女性が殺されたことに贖罪を念を抱いていた。

 

人の死を予見できる自分、しかしその人間を救うことは未来に対する冒涜なのか。初めて愛する人を得て彼女との触れ合いの中で「死の迫った人を救いたい」という思いに駆られる慎一郎。

 

そして窮地に追い込まれた慎一郎の決断とは・・・。

 

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人が生まれて誰もがひとつだけ約束されていること、それは死が必ず訪れるということ。

 

普段の生活の中で家族や愛する人との別れなんて、ほとんどの場合意識しないですよね。でも大切な人の死がしたくもないのに予見出来たら・・・。

 

残酷と言えばこれほど残酷なことはないですね。生に対する執着は誰もが持っている感情ですが、その執着が途切れることが分かってしまう慎一郎。

 

人を助けることが出来ない寂寥感を抱えながら生きて行く、その辛さ苦しさを筆者は丁寧に綴っていて物語にグイグイと引き込まれます。

 

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その発言は度々物議をかもしますが、やはり百田尚樹のストーリー・テラーとしての実力は恐るべきものがありますね。

 

慎一郎は公園のブランコに腰掛けひとりかんがえます。運命は最初から決まっているのだろうか?人生はフィルムに焼き付けた映画みたいに結末まで決められているのか?人はそれを初めて観る観客のようにハラハラどきどきしているだけなのか?

 

未来が分からないからこそ人は前を向いて生きて行ける。

 

改めてそんなことを感じる良書でした。

 

でもこの作品いずれ映像化されるような予感がするなぁ。

 

 

rintaro95.hateblo.jp

 

 

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