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黒澤明監督作品!極私的ベスト5はこの作品♪

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黒澤明(1910~1989)
映画史の中でも最も重要かつ影響力のある監督の一人。
世界的にその名が知られており作品もアカデミー賞と世界三大映画祭で
受賞され多大な評価を得ている。多くの映画人にも影響を与え
「世界のクロサワ」と呼ばれた。映画監督として初めて文化勲章、
国民栄誉賞に選出。1990年には日本人初のアカデミー名誉賞を受賞。 

     Wikipediaより引用

 

文句なしに偉大な監督であるわけですが、黒澤作品を5本選ぶのは非常に難しいですね。

 

そこをあえて苦渋の決断で(笑)ベスト5を選んでみます。あくまでも私的な意見ですのでそこを汲んでお読み下さいね。

 

1位 「七人の侍」

2位以下は迷いましたが1位は迷うことなくこの作品で決まりですね。

 

言うまでもなく世界的にヒットした作品でそれまで歌舞伎に影響を受けていた時代劇に、リアリティーを追及しそれでいてエンタテインメント性を確立した作品に仕上げた手腕は見事というほかありません。

 

黒澤監督が戦国時代の浪人は武者修行時代にどうやって食べていたのかを調べたところ、農民たちに飯と宿を与えてもらうかわりに不寝番で盗賊や野武士から村を守っていたようで。

 

この話しをヒントに「農民が侍を雇い野武士集団を撃退する」するというストーリーに決まったそうです。

 

その上で監督は「例えばうな重にビフテキやいろんなものが乗ったような。映画の要素を詰め込んだ作品にしたい」と語っています。

 

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その言葉の通りアクションはもちろんコメディーやラブロマンスそして人間の苦悩など、あらゆる要素が盛り込まれ「映画の玉手箱やぁ~」と言いたくなる作品です。

 

世界中で評価が高くジョン・スタージェス監督はこの作品が公開されて6年後、舞台を西部開拓時代のメキシコに移し「荒野の七人」というリメイク作品を撮ったことでも有名ですね。

 

ちなみにスピルバーグ監督は撮影や制作に息詰まったら今でも「七人の侍」を観るそうです。

 

上映時間207分という大長編ですが今も一気に観てしまう傑作中の傑作です。

 

 

2位 「隠し砦の三悪人」

 

友人のジョン・ミリアス監督から「七人の侍」を観せられたジョージ・ルーカス監督が、黒澤作品に夢中になり特にこの作品を元に「スターウォーズ」を制作したのはよく知られた話しですね。

 

戦に敗れ落城した城からひとりの侍大将が姫と軍資金を擁し敵国を突破し、お家再興を期して同盟国への逃げ延びる道中をスリリングでテンポよく描いた作品。

 

この作品は監督を含め4人の共同執筆ですが、ふたりずつ追う側と逃げる側に別れてアイデアを出し合ったそうです。

 

黒澤作品の中でも娯楽色の強い作品ですが、ハラハラドキドキの連続でそれでいてコメディー要素も強い作品ですね。

 

姫を救い出すというストーリー、類似したファーストシーンとラストシーン。勝ち気で男勝りの雪姫はレイア姫の、そして狂言回しの農民太平と又七はC-3POとR2-Dー2のモデルになったとルーカス監督自身が回想しています。

 

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黒澤監督はこの作品で第9回ベルリン国際映画祭で監督賞を受賞。日本で2008年にリメイクされましたが本家とは比べものにならない作品でした。

 

 

 

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3位 「酔いどれ天使」

 

黒澤、三船コンビ第一作で志村僑の初主演作品。

 

戦後の闇市の顔役で結核に侵された若いやくざと、口は悪いが一途な医師との交流やすれ違いを描いたヒューマンドラマ。

 

監督自身「ここでやっとこれが俺だというものが出た」と語っているように、その後のテーマや技法が確立された作品です。

 

医師の真田がやくざの松永が結核治療を試みますが、松永は出所した兄貴分に縄張りを奪われ真田の説得も聞かず死に向かって暴走する。虚勢を張り素直になれない松永と真田のやりとりが何とも切なく響きます。

 

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そしてラストシーン死んだ松永を哀れむ真田に、素直に治療に専念し結核が治癒した少女が見せる笑顔が松永と対比させ深く印象に残るシーンに仕上がっています。

 

結核という設定が時代を感じさせます。今なら陣内孝則主演の「ちょうちん」のように末期がんになるんでしょうね。

 

 

4位 「用心棒」

 

犬が人間の手首をくわえて走る衝撃のファーストシーンから、たちまち引き込まれてしまう作品です。

 

宿場町の支配をもくろみ対立するふたりの親分清兵衛と丑寅、ふたりの対立は激しく町は寂れるばかりで儲かっているのは棺桶屋だけ。

 

そこにぶらりと表れたひとりの浪人がふたつの勢力を両天秤にかけ、せん滅をはかろうとするというストーリーですが、この作品の特徴は何といっても殺陣!

 

それまでの「チャンバラ映画」の殺陣をくつがえすリアルな殺陣はこの作品でその完成形なったと言われています。

 

その例が主人公桑畑三十郎が人を斬るとき必ずひとり2回斬りつけますが、これは「人は一度斬られたくらいで簡単に死なないだろう」という考えに基づいて構成されています。

 

主人公の桑畑三十郎はじめ清兵衛や丑寅、そして丑寅のふたりの弟など人物造形により力を入れた作品と言えますね。

 

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「マルタの鷹」や「血の収穫」のダシール・ハメットのハードボイルド小説がこの作品の原点になっていると監督が語っていますが、続編の「椿三十郎」がコメディーチックなので対してこの「用心棒」はより主人公がシニカルに描かれています。

 

北野武監督の「座頭市」は「用心棒」の影響を受けたと思われるシーンが、いくつか出てきますがそれがこの作品のステータスをより上げているように思います。

 

そして「七人の侍」と同じくこの作品も公開された3年後、セルジオ・レオーネ監督によって「荒野の用心棒」としてリメイクされ主役のクリント・イースドウッドは一躍大スターに。

 

黒澤作品の凄みですね。

 

 

5位 「天国と地獄」

 

エド・マクベインの傑作小説「キングの身代金」を読んだ黒澤監督が触発され映画化した作品。

 

監督自身細部にまでこだわった推理映画を作ること、そして当時の誘拐罪の刑の軽さに対する不満がこの作品を作らせた動機になったそうです。

 

「ナショナルシューズ」の常務権藤の家にある日「息子を誘拐した」と電話が掛かります。動揺する権藤ですが息子が帰って来ます。

 

イタズラ電話だと思った権藤でしたが、実は誘拐されたのは運転手青木の息子。犯人は間違えて運転手の息子を誘拐したのですが、そのまま身代金3000万円を要求。

 

警察はどうやって犯人を追いつめて行くのかを、緊迫感あふれたストーリー展開が繰り広げられます。

 

この作品にはふたつの画期的なアイデアがあります。ひとつは犯人が鞄につめた身代金を走る列車の窓から投げ落とせと要求するところ。

 

そしてもうひとつは犯人が鞄を焼き捨てよう火をつけたとき、燃やすと赤い色の煙がでるように施されその煙だけがモノクロ画面の中で鮮やかな色を映し出すシーンです。

 

鞄を窓から投げ落とすアイデアはその後「草加次郎事件」や「グリコ・森永事件」など多くの模倣犯をうみ、公開当時誘拐犯が続出して国会でも取り上げられたました。

 

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この煙突の煙はモノクロ画面にマスキング合成で着色したもので、後にコッポラ監督の「ランブル・フィッシュ」やスピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」もこの手法が取られています。

 

そして公開から1年後この映画の影響によって刑法一部改正になったという非常に興味深い作品です。

 

 

 

 

 

 5作品を選んでみましたが「生きる」や「赤ひげ」「野良犬」に「デルス・ウザーラ」等々・・・。

 

やはりほとんどいい作品ばかりですね!

 

 

rintaro95.hateblo.jp

 

 

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