もう何度観たか覚えていないくらい繰り返し観た映画です。
それでもワルツが静かに流れ葬儀屋ボナセーラの「I Believe in america・・・」で始まるファーストシーンから今観ても感動します。
それまで知られていなかったマフィアの世界をリアルに描いただけではなく、イタリア系移民の家族の愛や葛藤をテーマに描いた作品で、当時落ち目だと言われていたマーロン・ブランドを復活させ。
アル・パチーノやジェームス・カーン、ロバート・デュバルを一躍スターにした作品。
さてそのファーストシーン、娘を街のチンピラによって暴行を受け怪我をさせられた葬儀屋のボナセーラが復讐を頼みに来ますがドン・コルレオーネは、妻がボナセーラの娘の名付け親なのに長年顔を出さなかったことを責めます。
「ドンに借りを作るのが怖かった」告白するボナセーラにドンは言います。
「君が友人として来るならそんなクズなど処分してくれる。善良な君を苦しめるのはわしが許さん・・・君が友人なら」
そしてボナセーラを許しその頼みを引き受けます。後にボナセーラはこの時の恩をドンに返すことで友情を示しますがそれは長男ソニーが殺されたときでした。
またプロデューサーに嫌われどうしても出たい映画に出演出来ないと泣きついてきた人気歌手ジョニー・フォンテーンには、心配するなとこう告げます。
「奴らに決して断れない申し出をする」
これは劇中でたびたび使われる有名なセリフで、アメリカではドン・コルレオーネのモノマネをするときはこのセリフを言われることが多いそうです。
このジョニー・フォンテーンのモデルはフランク・シナトラ映画は「地上より永遠に」だと言われていますが彼とマフィオーソの付き合いを考えるとおそらく事実でしょうね。
そして麻薬取引を断ったことから売人のソロッツォにドンが銃撃され重傷を負うと、長男ソニーは復讐を計画します。
そしてソロッツォはマクラスキーという悪徳警部と同伴での会見を提案しますが、会見には三男のマイケルが来るようにと要求。
ソニーとドンの養子でファミリーの相談役トム・ヘイゲンはこれを突っぱねようとしますがマイケルが二人に言います。
「ぼくがふたりを殺す。これは戦争じゃないビジネスだ」
そしてレストランでふたりを射殺したマイケルはシシリーで逃亡生活を送ります。
マイケルの逃亡中長男ソニーを殺され戦争を終結させる決意を固めたドンは、トムにニューヨークの五大ファミリーの招集を命じます。
会議で和解が成立しますが最後にドンが五大ファミリーのボスに対して宣言するのが、この映画の白眉とも言えるシーンで名セリフ中の名セリフ!
「息子の復讐は忘れよう。だがひとつ言っておく。末の息子がソロッツォの件で国を追われている。息子を安全に国に戻してやりたい」
そしてドンはこう続けます。
「わしは迷信深い。万一息子が事故に遭ったり警官に撃たれたり、あるいは首を吊ったり雷にうたれても、わしはここの誰かを憎む。そのときは絶対に許さん」
いつ見ても鳥肌が立つようなシーンですね。
無事帰国したマイケルはドンに代わってファミリーのトップの座につき、ファミリーの拠点をラスベガスに置くことを計画、これに危機感を抱いたコルレオーネファミリーの大幹部クレメンザとテッシオが独立を求めるもマイケルはこれを許さず。
とても我慢できないと言うわすふたりにドンは言います。
「わしの言葉を聞くか?」
「はい」
「わしを信頼してるか?」
「いついかなる時も」
「ならマイケルに従え」
マイケルにドンの座を譲りリタイアしたドン庭でワインを飲みながらマイケルに遺言めいたことを残すシーンも心に沁みる名シーンですね。
「ファミリーを守るため、わしは命をかけて裏の世界で闘って来た。偉い奴らに操られる人形にはなりたくなかった。人の一生は短い。だがお前は表に出てひとを操るべきだ」
直後ドンは亡くなりマイケルの闘いが幕を明けます。細かい表現は訳者によって違いがあり、これが名セリフ?と思われるかも知れませんが映画をご覧になった方にはどれも印象深い名セリフだと思います。
ちなみに映画冒頭で書斎での密議と華やかな結婚式の対照的なシーンは、黒澤明監督の「悪い奴ほどよく眠る」の冒頭シーンからヒントを得たそうです。
と言うことで今夜もまた観るかな?
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