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三谷幸喜作品のルーツ!ビリー・ワイルダーを堪能出来るオススメ3作品♪

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映画好きが集まると必ずと言ってもいいくらい出るのが好きな監督の話し。

 

特にお酒の席などでは「好きな監督ベスト5は?」という話題で盛り上がったりします。

 

私が個人的に好きな監督を5人挙げろと言われれば順不同で・・・。

ビリー・ワイルダー

黒澤明

シドニー・ルメット

アルフレッド・ヒッチコック

マーク・ライデル

 

この5人になるでしょうか。じゃあこの中でベストと思う監督は?と聞かれたら答えに困りますね。

 

各人それぞれ作風も違い評価も様々で何を基準に選ぶのかそこが難しいところです。

 

同じ監督でもすべての作品が心に残る素晴らしい作品かと言えば、必ずしもそうとは言えない訳で。そこで逆の面から考えて失望した作品が一番少ないという基準でひとり選ぶとすれば・・・。

 

文句なしにビリー・ワイルダーですね!

 

ヒッチコックやジョン・フォードと並んでハリウッドを代表する監督でオスカー受賞は6回、特に「アパートの鍵貸します」では作品賞、監督賞、脚本賞とひとりが1本の作品で3つの賞を受賞したのは現在でもビリー・ワイルダーただ一人です。

 

また映画ファンの記憶に今の残る有名なシーンも多く残していて「お熱いのがお好き」では地下鉄の通風孔からの風でマリリンモンローのスカートがまくれ上がるシーンは、誰もが一度は目にしたことがあるシーンですね。

 

独身男性が自宅でパスタを茹でていて湯切りするものがなく、テニスのラケットで湯切りする「アパートの鍵貸します」のシーンも日本のドラマで何度か使われた有名なシーンのひとつですね。

 

彼の凄いところは何よりも映画にエンタテインメント性を持たせたことで、この点についてはおそらく黒澤明監督と双璧なのではないかと私は思います。

 

かつてカンヌ映画祭のオープニングのスピーチで「何を撮ってもいい、アクション・サイエンス・フィクション・スリラー、どんな映画を撮ろうと自由だ、ただ2時間退屈させてはいけないよ」と彼は語りましたが、その言葉を見事に体現した監督のひとりですね。

 

日本でも和田誠さんや三谷幸喜さん立川談志さんなど彼のファンは数多く、三谷作品などワイルダーの影響を受けてるなとニヤリとするシーンやセリフも多く出て来ます。

 

「王様のレストラン」という三谷さん脚本のドラマは私も好きで毎回楽しみに観ていましたが、毎回最後の締めくくりに出てくる「それはまた別の話し」というセリフはワイルダー作品「あなただけ今晩は」で劇中バーテンダーが言う「That"s another story」が元ネタで、ワイルダー監督の影響を感じますね。ワイルダー監督は三谷作品の原点と言ってもいいでしょうね。

 

いつもの私ならここで例によって少しひねりを加えたオススメ作品の紹介に入るのですが、ビリー・ワイルダー作品ははっきり言ってひねることが出来ません(笑)

 

もうストレートに好きな作品を紹介するしかないですね。ただどの作品も観て損はないオススメ作品であることは間違いありません!

 

尚「麗しのサブリナ」についてはこちらの記事で触れているので今回は省くことにします。

 

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「アパートの鍵貸します」♪

やはりこの作品は絶対に外せないでしょうね。1960年公開アカデミー賞5部門受賞の言わずと知れたビリー・ワイルダーの代表作です。

 

ニューヨークの保険会社の社員バクスターはさえない平社員ですが、何故か勤務評定は高評価。

 

実は彼は4人の課長に愛人との密会用に自分のアパートの部屋を提供しそれで勤務評価を上げて貰っているのでした。

 

そして憧れのエレベーターガールのフランをデートに誘いOKを貰い有頂天のバクスター。

 

しかしフランはアパートの鍵を貸している上司の愛人だと知ったバクスターは・・・。

 

ジャック・レモンはもちろんフラン役のシャーリー・マクレーンがキュートな魅力がこの映画をより良いものにしています。切ない男の恋心を描いたワイルダー監督の必見の傑作です。

 

ちなみに明石家さんまさんは「男女7人夏物語」で、主人公今井良介を演じるにあたってこの作品を参考にしたそうで、自らのアイデアでテニスのラケットでパスタの湯切りをするシーンを挿入したそうです。

 

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「七年目の浮気」♪

 

1955年ブロードウェイの舞台劇をワイルダー監督が脚色して公開された作品。

 

マリリン・モンローの魅力が如何なく発揮された作品ですね。そしてその魅力を引き出したワイルダー監督手腕には改めて脱帽させられます。

 

出版社に勤めるリチャードは妻子がバカンスに送り出しアパートに戻ると、偶然にも階上に住むカウフマンの部屋に、バカンス中だけブロンドの美人か間借りしていることを知ります。

 

テレビCM「ピカピカ歯磨きアワー」に出演していると言う彼女の魅せられたリチャードはひたすら彼女との関係を妄想します。

 

妻子持ちの中年男が美人との浮気を妄想するコメディーですが、この作品はストーリーよりもセリフとテンポの良さで見せる映画で、ワイルダー監督の際立った演出力が堪能出来ます。

 

エアコンのない部屋で過ごすマリリンモンローの「パンティーを冷蔵庫で冷やしているの」や劇中で「アマゾンの半魚人」を観て「あの怪獣がかわいそう、愛情に飢えているのよ」などのセリフは今でもよく引用されていますね。

 

「麗しのサブリナ」「昼下りの情事」のオードリー・ヘプバーンや、この作品のマリリンモンローもワイルダー監督は女優の魅力を引き出すのが本当の上手く2人の女優のベスト・パフォーマンスだと私は思います。

 

マリリン・モンローと言えばあの独特の「モンローウォーク」が有名ですが、それを初めて披露したのはこの作品で色っぽく歩くため、ワイルダー監督は左右高さの違うヒールを履かせたそうですが、この辺りはさすがですね。

 

ワイルダー監督が後に語ったところでは、撮影当時マリリンモンローの精神状態が不安定で遅刻やセリフ忘れもしばしばありましたが「30テイク目にようやくセリフを言うんだが、それが誰にもまね出来ないような素晴らしさだった」そうです。

 

また例の地下鉄でスカートがまくれ上がるシーンが観衆の前で撮影されたことに当時の夫ジョー・ディマジオが激怒して2週間後に離婚発表されました。

 

そしてその撮影時モンローが着ていた白いドレスは2011年カリフォルニアで、オークションに出され日本円にして約3億7000万円で落札されたそうです。

 

 

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「フロント・ページ」♪

 

1928年初演の戯曲を1974年にワイルダー監督が映画化した作品。

 

「おかしな2人」の名コンビジャック・レモンとウォルター・マッソー主演のコメディーでワイルダー監督作品、これで面白くない訳がないですね。

 

シカゴ刑事裁判所の記者クラブ、警官殺しの犯人の死刑を取材させようと、ウォルター・マッソー演じるシカゴエグザミナー紙の編集長バーンズは、トップ記者のジャック・レモン扮するヒルディーに取材を命じます。

 

ところが何とヒルディーは今日限り退職して恋人と結婚しシカゴを離れると宣言、

 

さあ!ここからバーンズの手段を選ばぬ引き止め工作と、死刑囚の脱走騒ぎにヒルディーが巻き込まれたりのドタバタコメディーの典型ですが。

 

名優コンビの息のあった演技でぐいぐい引きこまれます。そして」事件は一件落着しバーンズもヒルディーの退職を認め、列車の駅まで送り別れの記念に大切に身につけている時計をプレゼント。

 

感激して受け取るヒルディー,でしたが・・・。

 

バーンズは黙って引き下がっている男ではありません。映画のラストに笑撃のオチが用意されています。

 

推理小説で最後にトリックが解明されて「そんな手があったのか!」と感心することがありますが、この映画のラストも「なるほど!」と唸りそして笑ってしまうそんな終わり方になっています。

 

以前の記事でウォルター・マッソー主演の「サブウエイ・パニック」という映画を紹介しました。

 

あの作品も笑撃のラストシーンで有名ですがどうやらウォルター・マッソーは笑撃のラスト俳優と言ってもいいかも知れないですね。

 

ビリー・ワイルダー監督らしい作品!オススメの一本です。

 

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これらの3作品はコメディー色の強い作品ですがその他「サンセット大通り」や「情婦」「悲愁」などシリアスなドラマの傑作もあります。

 

そしてどの作品にも言えることですが、大上段に振りかぶって殊更テーマを主張するのではなく、エンタテインメント性を常に意識している作風は映像作家などでは決してなく、どこか職人気質な監督だと言えるでしょうか。

 

これはいつも熱演し過ぎるイングリット・バーグマンにもっとリラックスした自然な演技をさせようと「イングリット、たかが映画じゃないか」と言ったヒッチコック監督と通ずるところがあると言えそうですね。

 

「たかが映画]と言いながら「されど映画」という部分にこだわっている、その姿勢が作品を素晴らしいものに仕上げているんだと思います。

 

全作品オススメしたい監督であることは間違いないですね。

 

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ビリー・ワイルダー自作自伝

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ビリー・ワイルダーの映画作法 (明治大学リバティブックス)

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